【徹底比較】公文(くもん)と学研教室の違いは?
小学生向け学習塾として人気の高い「公文(くもん)」と「学研教室」ですが、両者の違いについて理解している方は少ないのではないでしょうか。学習方針や教材など、細かく見るとそれぞれ異なる特徴があります。
そこで今回は、公文(くもん)と学研教室について、それぞれの違いを解説していきます。お子さんの通塾を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
「公文(くもん)」とは
公文(くもん)は、公文式学習を通して「自分自身の生きる道を自らの力で切り拓いていける健全で有能な人材」の育成を目指す学習塾です。できるだけ早い時期から自学自習を身につけることを目標として掲げており、0歳から対応しています。
子どもたちは自分の学年のレベルを超えて難易度の高い課題に取り組めます。国語・算数(数学)・英語の3教科を教えており、幼児と小学生は1教科当たり月額7,000円台でレッスンを受けられます。
「学研教室」とは
学研教室は「自ら考える力」を身につけることを目的とした学習塾です。単に問題を早くこなすことや正解を導き出すことだけでなく、知識をもとに試行錯誤しながら本物の学力を身につけることを目指しています。
使用する教材は文部科学省の学習指導要領を網羅しており、学校の学習内容を予習・復習できます。実際に学研教室にお子さんを通わせている保護者からは、テストの点数が上がったとの声が多く寄せられています。
学研教室では、国語・算数(数学)・英語の主要教科に加えて、読解・作文やプログラミングコースなども用意しています。小学生の月謝は、算数・国語の2教科で8,800円(税込)となっています。
公文(くもん)と学研教室の違い
公文(くもん)と学研教室は、どちらも多角的なアプローチによって子どもたちの可能性を引き出すことを目指しています。両者の違いについて、4つの項目から紐解いていきます。
教室数
公文(くもん)は、2024年3月時点で国内に1万5,100教室、海外に8,200教室展開しています。学研教室は、2024年9月時点で国内に1万8,696教室展開しています。
全教科を合わせた学習者数は、公文(くもん)が約355万人、学研教室が約36万5,000人となっています。両者の大きな違いは、海外にある拠点数です。
学研教室は日本を含む9つの国と地域に展開しているのに対し、公文(くもん)は60の国と地域に展開しています。進出しているエリアが多い分、公文(くもん)の方が教室数・学習者数が多い結果となっています。
学習方針
公文(くもん)と学研教室はともに「自学自習」をコンセプトに掲げています。細かく見ると、公文(くもん)は「個人別・学力別学習」学研教室は「個別指導・無学年方式」を採用しており、指導方針に違いがあります。
公文(くもん)は、現在の年齢や学年に関係なく、一人ひとりの能力に合わせて楽にできるところから学習をスタートしています。
人に解き方を教わるのではなく、自らの力で問題を解くことを大切にしており、子どもたちの「自分でできた」という喜びを大切にしています。その結果、学ぶ楽しみを育み、自ら学力を高めていく基礎を作り上げています。
一方で、学研教室は先取り学習を取り入れながらも、子ども一人ひとりに寄り添った指導を徹底しています。生きる力は「見える力」と「見えない力」の2つから成り立っていると考えており、学校で学ぶ教科の学力(見える力)と最後までやり抜く力(見えない力)の2つの力を育むことを目標としています。
教材
公文(くもん)の教材は、創始者である公文公(くもんとおる)氏が息子のために作った教材を原型に作られています。さらに、教育現場での声を取り入れながら改良を続けています。やさしい内容から徐々に難易度を上げていく「スモールステップ」を採用しています。
一方、学研教室では、学校で学ぶ内容の理解に力を入れており、学習指導要領に基づいた教材となっています。教科数や学習レベルによって個人差はありますが、1回の授業で取り組むのに適切な量であると好評を博しています。
受験対策の有無
公文(くもん)も学研教室も、中学受験対策としての指導はとくに行っていません。とくに、学研教室に関しては、学習指導要領の内容をカバーしており、学校の勉強内容がわかるようになる構成を売りにしています。
中学受験を控えている児童は、小学3年生の2月から入塾するケースが一般的です。そのため、低学年のうちは公文(くもん)や学研教室で先取り学習を行い、それ以降はタイミングを見て受験対策に特化した塾に通い始める家庭がほとんどです。
【教科別】公文(くもん)と学研教室の違い
反復トレーニングを繰り返しながら学力を高めていく公文(くもん)に対し、学研教室では学習指導要領に従いながら、学校の授業内容への理解を深めていくことを目指しています。学習方針や教材にそれぞれの個性が反映されているのと同様に、各教科にも違いが見受けられます。それぞれの違いを教科別で紹介します。
国語
公文(くもん)では、国語について「すべての学びの基礎」と位置付けています。数多くの言葉や文章に触れながら、高度な読解力の習得に取り組んでいます。
一方、学研教室では、学校で学ぶ漢字や表現、言葉のルールなどを網羅した教材を採用しています。教材には丁寧な解説が用意されており、学校で学ぶ内容を復習できます。先取り学習にも対応しており、高学年のハイレベルな学習にも備えられます。
算数
公文(くもん)では、速く正確に問題を解くための計算力に力を入れています。そのために、反復トレーニングを繰り返し行っています。公文(くもん)の経験者によると、計算力や数学的な考え方を養うことができたとの評判が上がっています。
学研教室では、算数と国語について、すべての教科の基礎であると考えています。そのため、算数と国語を同時に学ぶスタイルを採用しています。
なかでも算数の教材には「数と計算」「図形」「測定・変化と関係」「データの活用」といった学校で学ぶ4領域がすべて詰め込まれています。学校で習う範囲を網羅しているので、学習理解が進みます。
英語
公文(くもん)の英語学習は、プリントに加えて専用のリスニング機器「E-Pencil」を取り入れています。英語特有の発音やリズムに触れながら「聞く・読む・書く」の3つの力を養います。公文(くもん)に通う児童の多くが英検に挑戦しており、小学生の英検3~5級の合格者の3人に1人は公文(くもん)で英語を習った経験があるとされています。
対して、学研教室ではデジタルとプリントの教材を使って「聞く」「話す(やりとり)」「話す(発表)」「読む」「書く」の4技能5領域をバランスよく育んでいます。その実績は高く評価されており、2020年の「イード・アワード子ども英語教室」において、効果がある英語教室部門賞を受賞しています。
まとめ
今回は、公文(くもん)と学研教室の違いを徹底的に解説しました。公文(くもん)と学研教室は、どちらも小学生向け学習塾として人気を集めていますが、学習方針や教材に細かな違いがあります。
いずれも「自学自習」をテーマに掲げている点では同じですが、公文(くもん)は「個人別・学力別学習」学研教室は「個別指導・無学年方式」を採用しています。教材についても、公文(くもん)は徐々に難易度を上げていくスモールステップ式を採用しているのに対し、学研教室では教育現場での学習指導要領に基づいた内容を網羅しています。
それぞれ異なる特色があるため、理解した上で選択することをおすすめします。本記事が参考になれば幸いです。